VOSTOK Journal

VIVANTと、その先にある中央アジア

「お前、別班(べっぱん)か!?」と、中央アジアで言われることないですか?
――と、先日、仕事関係の方から冗談半分で言われました。

中央アジアと仕事をしているため、最近、日本の方と話していると、ドラマ『VIVANT』の話題になることがあります。
実際、私は劇中の「バルカ共和国」からそう遠くない地域に住んでいたので、思わず笑ってしまいました。

もっとも、『VIVANT』自体は中央アジアの現地では、ほとんど知られていません。

最近は「カザフスタンってどんなところですか?」と聞かれると、
「VIVANTのシーズン1に出てくる、あの草原や遊牧の風景に近いです」と答えています。
そう言うと、多くの方が一気にイメージしてくださいます。

現在放送中の続編では、アゼルバイジャンでロケが行われ、モスクやイスラム文化を感じさせる風景も印象的です
前作とはまた違う、どこか神秘的な空気があります。
こうしたドラマをきっかけに、中央アジアやその周辺地域への関心が、さらに広がってくれれば嬉しく思います。

一方で、実際の中央アジアは、こうしたイメージだけでは語れません。

エネルギーや鉱物資源に恵まれ、新たなサプライチェーンの一角として、日本にとっても重要性を増している地域です。
私が暮らすカザフスタンの首都アスタナには、世界的な建築家が手がけた建物が並び、未来都市のような街並みが広がっています。

スマートフォン一つあれば、日常生活の多くが完結します。
決済や送金、ショッピングはもちろん、公共料金や交通機関の支払いもQRコードで済み、行政手続きや身分証明書の提示までスマートフォンで可能です。
生活のデジタル化という点では、日本以上に便利だと感じる場面も少なくありません。

ウズベキスタンの首都タシケントでは、歴史あるイスラム建築と近代的なビル、昔ながらのバザールが、一つの街の中に共存しています。

草原と遊牧。
モスクとバザール。
高層ビルとデジタル社会。
そのすべてが同時に存在しているのが、いまの中央アジアです。

ドラマの舞台の、その先へ。
日本の皆さんに、『VIVANT』をきっかけに、ぜひこの機会に中央アジアにも少し興味を持っていただけたらと思います。