VOSTOK Journal

日本品質

先日、久しぶりに東京の河童橋を訪れました。
相変わらずインバウンド客で賑わっていましたが、以前よりも洗練された包丁専門店が増えているのが印象的でした。
私自身、日本の包丁をカザフスタン向けに輸出していますが、価格が高いにもかかわらず、安定した人気があります。

そもそも日本の包丁の品質の高さを教えてくれたのは、日本人ではなく外国の友人でした。
日本人にとっては当たり前の道具でも、外から見ると特別に映ることがあります。
同じことは抹茶にも言えるかもしれません。
日本では日常的に抹茶を飲む人は多くありませんが、世界的に広まったきっかけの一つは、スターバックスの
抹茶ラテだったと言われています。

日本人が当たり前と思っている品質の良さ。
不備やクレームがないことは前提で、壊れないことだけが品質ではありません。
迷わず使えること、安心して使い続けられること。
それは、よく言われる勤勉さや真面目さだけで説明できるものではないと思います。

「お客さんの喜ぶ顔が見たい」
「ありがとうと言ってもらえるのが嬉しい」
こういった言葉に表れるように、その根底には、お客様に喜んで、満足して使ってもらいたいという気持ちが
強いのだと思います。

ただ、こうした姿勢は、本来日本人だけのものではないのかもしれません。
近年の研究では、古代エジプトのピラミッド建設に携わった労働者たちは、報酬や食事(ビールも配給されて
いたそうですww)を受け取り、社会の一員として誇りを持って働いていた可能性が高いとされています。
どんな仕事でも、人々の心や思いが製品やサービスに表れるのだと思います。

日本においては、争いの少なかった江戸時代以降、約400年にわたる全国的な商取引の歴史の中で、信用を重ね、
相手の立場で考える商いの姿勢が磨かれてきたのかもしれません。
日本の品質とは、技術の話である以前に、人とどう向き合うかという姿勢そのものなのだと感じます。